目次
背景
先日、オープンソースカフェ下北沢(以後、OSC下北沢)の河村さんからUstream撮影中にフリッカーが発生するとの相談を受けた。利用しているLED電球が原因のようで、ビデオカメラ側でシャッタースピード周波数の調整を行えば解決するものの、動画入力デバイスとして利用していたSonyのCX170ではその設定が無いため、光源側で解決する方法を調査してほしいとのことだった。(下記記事参照)
Ustreamでフリッカーが入る照明の問題を光源の原理から考える件 | 日刊なかちょん No.021 | Nakachon Blog
OSC下北沢のビデオカメラ設備状況
OSC下北沢では以下写真のSony HDR-CX560Vを2台、Logitech HD Pro Webcam C910 1台を利用してUstream配信をしている。当初使用していたシャッタースピードの調整ができないSony CX170については現在は別の用途に使用していない。フリッカーは、Logitech HD Pro Webcam C910では発生せず、HDR-CX560Vの周波数を100Hzに調整すれば解決することができるので、CX170から上位機種へ変更したことによりでカメラ側で解決はできたのだが、今回は実験のため、HDR-CX560Vをシャッタースピードを「オート」にして撮影をおこなった。
カメラA (SONY HDR-CX560V)
カメラB (SONY HDR-CX560V)
カメラC (Logitech HD Pro Webcam C910)
Sony以外のビデオカメラであれば、比較的に安価な機種であってもシャッタースピードが調整できるものが多いのだが、OSC下北沢の河村氏は下記のような理由でSony製品を利用しているとのことだった。
OSC下北沢河村氏のコメント
– HDMI出力時に、720p の解像度が選択できる
– 絵がキレイ
– 上位機種も比較的コンパクト映画を撮るわけではないので、1080p(フルHD)の必要はなく、むしろ編集機材の負担としては720p(フルじゃないHD)の方がベターだと思います。
サイズについては、なんせ狭いスペースなので(笑)、圧迫感をなるべく減らしたいという感じ。Canonとかのはデカイんです!
あまりクリティカルな要素ではありませんが、落ち着いたつや消しのブラウンの筐体色があったのも、「カフェ」としてありがたいところでした。
使用した光源
今回は光源を3種類用意。既存の光源と併せて4種類の光源それぞれを実際にビデオから撮影してフリッカーの状況を見るという実験を行った。使用した光源の写真と撮影した動画を貼り付ける。ただし、注意してもらいたいのはこの結果はあくまでもOSC下北沢での実験結果なので、他の場所でどうなるかはこちらでは確認がとれていないので、あくまでも参考程度とするように。
白熱電球60W相当 LED電球(シャープ製)
白熱電球40W相当のE17ベースのLED電球。もともとOSC下北沢で使用していた電球。動画からもわかるとおりフリッカーが確認できる。省エネで、熱が少く、寿命も長い為、利点はたくさんあるがシャッタースピードをオートにするとこのような状況となった。
National製 レフ型コンパクト蛍光灯
白熱電球60W相当のE26のコンパクト蛍光灯に反射板を組み合わせたレフ型コンパクト蛍光ランプ。先ほどのLED電球と比較すれば少ないが、若干フリッカーが確認できる。このランプも、省エネで熱が少なくLED程ではないが寿命が長く価格もリーズナブルというメリットがあるがこのような映像となった。
ウシオライティング ダイクロハロゲンランプ
100V65Wのリフレクター付きハロゲンランプ。飲食店や物販店などでは非常によく使われているが、一般家庭ではあまり使われていないランプ。電力消費量が蛍光灯やLEDよりも多く、熱も発生する光源であるが、光を効率的に照射したいモノに当てられることがメリット。当初、それほどフリッカーは目立たないだろうと思われたが、ご覧の通りの結果となった。
ウシオライティング ハロゲンタイプLEDランプ
国内でハロゲンランプ製造について歴史のあるウシオライティング製のハロゲンランプ型LEDランプ。LEDランプということでSHARPのLED電球と同じような結果を想定していたのだが、用意した光源の中で一番フリッカーが感じられない結果となった。省エネ、長寿命、熱が少ないという特長があるが、値段は他の光源よりも高い。
結論
今回、4種類の光源で実験を行った結果は以上のとおり。映像を私が目視で確認したところ、ウシオ製のハロゲンランプ型LED電球ではフリッカーが確認できず、他の光源ではすべて程度の大小はあったもののフリッカーが確認できた。しかしながら、この結果が他の場所でも同じようにおこるかどうかは確認が取れていない。
また、今回の検証はあくまでもフリッカーに絞っておこなった為、被写体を効果的に明るくできるかどうかや、光源による色味の検証は行っていない。(本当はやろうとおもったのですが、うっかり照度計を忘れてしまいました)。今後は他の光源での実験や照度や色温度とビデオカメラの写り具合の検証などもおこなっていきたいと思っている。
最後に
今回の実験のきっかけと場所を提供していただいたOSC下北沢の河村さん、ありがとうございました!
ちなみに、上記にあげたランプやそれを使う為の照明機器などを、スマートライト株式会社にて販売しております。
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あと、上記YouTube動画でたびたび ”どや顔”してますが、これはネタとしてやっているだけです。はやりですから....